豪雨災害と住宅問題もとりあげて

今年7月に九州地方を中心に「豪雨災害」が広がる中、国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)と日本住宅会議・関東会議の主催で、「コロナ危機、災害多発と公的住宅の役割」をテーマとしたシンポジウムが7月18日、台東区内で開催されました。十分にコロナ対策を行う中、30名が参加しました。コーディネーターを萩原幸・住まい連幹事が務めました

新型コロナウイルスをもう一つの災害としてみる

最初に中島明子・和洋女子大学名誉教授が「新型コロナ危機と住宅の危機、公的住宅の役割」と題してミニ講演。

コロナ禍で浮き彫りになった「居住の危機」、コロナ危機対策でデンマークのしたこと、公営住宅・社会住宅等の直接供給の役割などを詳しく話しました。そして、弁護士有志による「災害対策基本法等で国民の生命と生活を守る緊急提言」(4月16日)を紹介。コロナ対策に「災害対応」を求める必要性にふれ、基本法を適用することで対策は可能と述べました。

災害リスク地域に1200万世帯が居住

続いてパートⅠとして「コロナ禍と災害多発―公的住宅の対応と課題」を坂庭国晴・住まい連代表幹事が報告。

2021年3月改定の政府の「住生活基本計画」の検討の中で、「土砂災害警戒区域、津波浸水想定区域、浸水想定地域のいずれかの災害リスク地域に居住する世帯は1200万世帯」にのぼることが示されていると指摘。「災害公営住宅のみならず迅速な被災者の恒久的な住宅を確保する仕組みの検討が必要」としている点について、公的賃貸住宅の拡充・整備をはじめとした恒久的な住宅確保、住宅保障政策への転換が求められていると強調しました。

シンポは、パートⅡとして北村勝義・都庁職住宅支部元支部長、パートⅢとして奥脇茂・都公社自治協事務局長が報告し、活発な意見交流・討論が行われました。「UR賃貸住宅の現状と課題」は資料で提出。

NPO住まいの改善センター理事長坂庭国晴