住宅研究・交流集会を開催
昨年11月、東京都台東区の上野区民館で「若者の住まいの貧困と住宅保障の実現をめざして」をテーマに2018年度の住宅研究・交流集会が開催され、50名が参加しました。
コーディネーターを大本圭野・日本住宅会議前理事長(写真・正面左端)が務め、4名が報告し、討論が行われました。
「若者が暮らす現場を取材して」として藤田和恵さん(ジャ―ナリスト)が最初に報告。
「シェアハウスに3カ月間暮らしてみた。東京23区内、部屋は6~9㎡、家賃は光熱費込みで5万~6万円。9割が10代、20代。何が問題かと言えば家賃の高さ。初期費用ゼロとはいえ、妥当な水準なのか。住まいの貧困状態になる若者に当事者意識を持ってもらうことが今後の課題」。
次いで「反貧困運動としての家賃下げろデモ」を首都圏青年ユニオンの佐藤和宏さんが報告。
「掲げたテーマは①住宅手当で家賃を下げろ、②公営住宅を今すぐ増やせ、③生活保障に税金使え、の3点。社会運動の原点として『正しく怒る』ことが重要で、民主主義を問い直していきましょう。」
3番目に「東京都のネットカフェ難民調査とその背景を分析」として、稲葉剛さん(立教大学特任准教授が報告。
「2018年1月に調査結果が発表され、都内のネットカフェ難民は約4千人と報道され、ネットでも大きな話題に。背景には大都市部で住宅を確保する際の初期費用が高い問題があり、その打開と若者への住宅支援を強化する必要がある。」
最後に「住宅セーフティネットと若者の住宅保障」を坂庭國晴(住まい連代表幹事)が報告。
「住宅会議編集の岩波ブックレット『若者たちに住まいを!』が発行されて10年。若者の住宅問題を検証する必要がある。改正住宅セーフティネット法による若者の住居費負担の軽減は極めて不十分。家賃補助制度を国会内外の運動で実現しよう」と呼びかけ、活発な質疑・討論が行われました。
NPO住まいの改善センター 理事長 坂庭 國晴